「歯が生える前の歯ミガキ」
またまた出ました、院長の変な発言。えっ⁉ 歯がないのに歯ミガキ?
前回は「生まれる前の歯ミガキ」
今回は「生まれた直後の歯が生える前の歯ミガキ」です。
お腹の中で9ヶ月と10日、育んで育てた赤ちゃんがお母さんの胸の中で一本も歯のない口で一生懸命おっぱいを吸っている姿は、本当に微笑ましいものがあります。おっぱいを吸う赤ちゃんをよく見るといろいろな事に気付かされます。
例えば反射。
生まれたばかりの赤ちゃんの口には生きていくための幾つかの原始的反射があります。
まずは唇に触れるものを探そうとする探索反射、口に入って来た物を強く吸う吸てつ反射、そして飲み込もうとする嚥下反射です。
この3つの反射のうち探索と吸てつ反射は生後7ヶ月程でほぼ消えてしまいますが歯と口にとってこの時期に重要な事がいっぱいあるのです。
その1つがおっぱいを吸うと云う行為によって鍛えられる筋肉です。おっぱいを吸う事で舌筋・口輪筋・咬筋・側頭筋・外側(内側)翼突筋・咽頭筋群・舌骨筋群更には表情筋群を鍛える事になるのです。顔の筋肉を鍛える事は(と云うよりは正常な成長を促すと云った方が良いかもしれません)、骨格(下顎骨・上顎骨・頭蓋骨など)の成長を促していく為の基礎を作ってくれます。更に骨格の正常な成長は歯並びを良くし、虫歯が出来にくくなります。
発達した筋肉群はよく動き表情豊かな子供を作るだけでなく、唾液の分泌を促進してお口の中を自動で磨く力(自浄作用)を高めてくれるのです。人は噛む事・飲み込む事・笑う事・泣く事・話すことで歯を磨いているのです。
更におっぱいを吸うことで、赤ちゃんは口で呼吸ができなきなります。その時に赤ちゃんは鼻呼吸を確かなものにするのです。
鼻呼吸と口呼吸については改めて1章を設けますが、口呼吸を優先する子供は歯並びが悪くなり、虫歯になりやすく、風邪を引きやすいなど多くの問題が出てきます。
いかがですか??0歳児の歯磨きとは実際に歯を磨く事ではなく、虫歯になりにくい体を作ってあげる事なのです。